介護度の高さとスキルアップは関係があるか

介護職の人が仕事を通してスキルアップをしようと考えたときに、介護度の高さを重視することがあります。介護度の高い高齢者が多い施設で働くとスキルアップしやすいという考え方があるからです。確かに、特別養護老人ホームのように介護度が高い高齢者でなければ入居するのが難しい施設では、スキルアップをしやすい面もあります。要介護度が高いと、心や身体にさまざまな不調を持っていることが多く、臨機応変に対応していかなければならないからです。しかし、介護職の人が目指しているスキルアップになるかどうかとは別の問題で、必ずしも介護度が高い人が集まっている介護施設を選ぶのがおすすめとは言えません。

スキルアップを目指すときに重要なのは、スキルによって何を実現したいかを考えることです。介護サービスをする上で、自分は何をできるようになりたいのかを考えてみましょう。メンタルケアに強くなりたいのなら、介護老人保健施設や介護医療院の方が良い可能性があります。生活介助のスキルに不安があって、スキルアップの機会を増やしたいという場合には、どのくらいの介護度の高齢者の介助が苦手なのかを考えて施設を選んだ方がスキルアップになります。自分が介護サービスで何をできるようになりたいかを考え、施設ごとの特徴と比較対照することでスキルアップをしやすい施設を導き出すことが可能です。そのため、安易に介護度が高い高齢者のケアを経験すれば良いと考えず、自分なりのスキルアップの方向性に合わせて施設を選ぶのが大切です。